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クリスタル・エストラーダさんAPACPH2018でベストプレゼンテーション賞を受賞


当教室博士後期課程学生のクリスタル・アミエル・エストラーダさんは、2018年9月12-14日にマレーシア・コタキナバルで開催された第50回アジア太平洋公衆衛生学会:Asia Pacific Academic Consortium for Public Health Conferenceにてベストオーラルプレゼンテーション賞を受賞しました。

本学会はアジア太平洋地域の公衆衛生校のネットワークで毎年行われるもので、公衆衛生学の国際学会として重要なものです。琉球大学保健学研究科はメンバー校としての役割を果たしてきましたが、今回学生では初めての受賞となりました。数多くの演題から161が口演として採択され、その中で最も優秀な口演として選ばれました。
クリスタル・エストラーダさんはフィリピンからの留学生ですが、本学保健学研究科国際地域保健学教室で勉強をしながら母国に度々もどり、首都圏マニラでの学校教育から脱落した学生たちを受け入れているAlternative Leaning Systemで学ぶ学生たちを対象にメンタルヘルスの研究を実施しています。

今回はこの研究の一部を発表しましたが、演題名は“A qualitative study on the role of school psychosocial environment on the suicidal ideation and behaviors of Filipino adolescents enrolled in the Department of Education’s Alternative Learning System”であり、現在開発途上国でも注目が高まってきている精神保健・思春期保健の分野にいち早く取り組んだ研究です。また学校に来ない子供達を対象にした研究で、多くが貧困層でスラムに居住しており、大変アクセスが難しいグループを取り扱っていることも評価できます。研究結果は今後学位論文としてまとめられるだけでなく、フィリピンの精神保健・思春期保健政策の実施に大きく寄与するエビデンスとなると期待されます。

今回の受賞を受け、本人のみならず琉球大学や協力機関のフィリピン大学からも称賛の声が多く聞かれ、両校の多くの大学院生・教員が大いに刺激を受けています。
 

 

イスラム圏・健康教育に関する研究

イスラム圏の健康教育に関する研究

 学校保健の国際的普及は南アジア、アフリカが今後のチャレンジです。そのようななかでイスラム圏を無視することはできません。2016年よりフィリピン、ニジェール、インドネシアにおいてイスラム教育のなかの健康教育についての研究を開始し、その普及に貢献できる知見を明らかにしています。イスラム教に対する偏見がみられるなか、その素晴らしいさについて明らかにしていきます。

国際学校保健コンソーシアム

 国際地域保健教室は、国際学校保健コンソーシアムの事務局となっております。本会では、開発途上国の学童期および思春期の青少年を対象にした学校保健の普及と適切な実施に貢献する研究を推進し、世界戦略が各国の政策マネージメントに還元すること、およびコミュニティーの健康増進に寄与することを目的とした日本初のシンクタンクです。途上国においては固定観念にとらわれない柔軟な概念やアプローチの開発が必要であるため、保健学のみならず教育学、疫学、健康教育学、寄生虫学、人類生態学、経済学、政策学等々幅広い分野からの参加を期待しています。また若手研究者の育成を図るために、日本でのメンバー間の情報交換等を行うとともに、海外の研究者とのネットワークを強化しています。

これまでの活動対象国:
ニジェール、ケニア、タイ、ミャンマー、ラオス、スリランカ、ネパールなど

リンク:http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/schoolhealth/schoolhealth.jp/index.html
 


第3回東南アジア学校保健研修タイ

 
 

第4回東南アジア学校保健研修ラオス
 


ニジェール学校保健研究

 ニジェールは世界最貧国であり、経済的・環境的にも非常に厳しい状況に置かれている国の一つです。極端にインフラ整備やアクセスの問題がある国でどうやって学校保健を普及させるかについてJICA人間開発部・ニジェール事務所と共同研究を取り組んできました。国際学校保健コンソーシャムでアジア各国で展開している包括的学校保健の自己評価システムをWACIPAC(国際寄生虫対策西アフリカセンター(ガーナ野口記念医学研究所内))に紹介し、パートナー機関であるニジェール教育省はJICAの協力のもと環境に特化した形で単純にして改善のガイドラインを作成し全国規模に配布しました。この効果を判定するための大規模な研究を実施してきましたが、学校を支援する住民組織での学校保健関連の計画と予算付けが明らかに改善されていることがわかりました。ニジェール教育省をカウンターパートに、厳しい条件でなにができるかを共に考えて、学校保健の戦略の改善とその評価研究を続けています。


 

ケニア国複数感染症の一括診断技術による広域監視網と感染症対策基盤の構築

ケニア国複数感染症の一括診断技術を用いた多種感染症の広域監視網と感染症対策基盤の構築プロジェクト

  小林教授は長崎大学熱帯医学研究所客員教授として同研究所が進めているJST(科学技術振興機構)  貧困層を中心とする複数感染症の一括・同時診断技術開発のアフリカ拠点整備とその技術を用いた多種感染症の広域監視網と統合的感染症対策基盤の構築プロジェクトのなかで、学校保健への応用を担当して進めています。アフリカ諸国では顧みられない熱帯病(NTDs)の蔓延は深刻な公衆衛生の問題となっています。なかでも土壌伝播性寄生虫症、住血吸虫症は学童に多くの虫が感染して、学校への出席や学業への集中に大きく影響すると考えらえています。対象地域であるビクトリア湖周辺では住血吸虫症の感染ルートとして、湖畔の水へのコンタクトが明らかになっておりこれを避けるような健康教育が長年されてきましたが効果は得られていません。本研究では、学童に「湖畔の水へのコンタクトを避けるべき」といった実現不可能な健康教育にかわって、この複数感染症の一括・同時診断技術を学校保健のスクリーニングのなかへ応用し適切な治療を受けるように促すことを示唆していく教育へ変えることを考えています。


住血吸虫症の感染場所であるビクトリア湖畔にて洗濯・水浴びを行う女性


学校で使用する水は、学童がビクトリア湖からの水を汲んでくるように指導される


「なぜ学校を休んでしまうのか」学校への先生への聞き取り調査に取り組む平安山さん(学部4年)