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アジア・太平洋地域における子供達への新型コロナ感染症ワクチン接種強化拡大の提言

アジア・太平洋地域での子供達を対象としてワクチン接種強化拡大についての提言が論文として発刊されました。

https://tropmedhealth.biomedcentral.com/articles/10.1186/s41182-021-00365-5


西太平洋地域では、思春期や学童期の子どもに対するSARS-CoV-2感染症の予防接種プログラムを早急に拡大することを推奨する。2021年7月以降、この地域では子どものSARS-CoV-2感染が急増している。SARS-CoV-2のB.1.617.2(Delta)変種により感染率が上昇しているため、マスク着用や社会的距離の取り方などの現在の予防戦略では、その拡散を効果的に抑制できなくなっている。現在、子供たちの間でのウイルスの拡散を抑制するために、長期の学校閉鎖が推進されています。しかし、学校閉鎖の長期化による悪影響は大きい。12歳以下の子どもへのワクチン接種はまだ議論の余地がありますが、今から準備しておく必要があります。学校からの情報発信はさらにワクチン拒否(ヘシタンシー)を減らすことにも大いに効果が期待されます。
 

アジア・太平洋地域における学校保健の緊急強化の必要性について言及した 論文が国際学術誌に掲載 この研究成果と形成された国内外のネットワークを利用した 「文部科学省:日本型教育の海外展開( EDU Portニッポン)公衆衛生教育等の海外展開に関する調査研究」プロジェクトに採択

アジア・太平洋地域における学校保健の緊急強化の必要性について言及した論文が日本小児科学会の国際誌であるPediatrics International に掲載されました。これは昨年度に琉球大学が開始したポストコロナ社会実現研究プロジェクトにおいて採択された「太平洋島嶼における健康・安全な社会・学校づくりに関する研究」による成果の第一報です。沖縄には新型コロナ感染症パンデミックの波に昨年からすでに4回押し寄せてきましたが、それを保健医療社会ともなんとか持ちこたえて来ています。それはなぜなのか、保健・医療・福祉・教育・観光といった多面的な面から分析をしてきました。現在4つの知見をあぶりだそうとしていますが、本論文のその一つです。
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Urgent need to strengthen school health in Asia and the Pacific Islands"
要約(日本語訳)アジア・太平洋島嶼地域では、2021年にコロナウイルス感染症2019(COVID-19)のパンデミックが継続することにより、学校閉鎖の可能性が高まるリスクの影響に対処するため、学校保健活動・対策の強化が緊急に必要と言えます。これらの地域では、2020年のCOVID-19の発生率が比較的低かったため、多くの国で学校閉鎖の長期化を回避することができました。しかし、今後、ワクチン接種が拡大し、パンデミックが終息傾向にあったとしても、SARS-CoV-2の変異株が子どもたちの間で広がるリスクも高まり、再び学校閉鎖を余儀なくされる可能性も高くなる可能性もあります。学校閉鎖は子供達に色々な悪影響を与えることが報告されており、最小限にしないとなりません。そのためには学校保健の強化が必要です。
Urgent need to strengthen school health in Asia and the Pacific Islands
Jun Kobayashi, Rie Takeuchi, Yuko Toyama, Ernesto R. Gregorio Jr., Hamsu Kadriyan, Crystal Amiel M. Estrada, Makoto Motomura, Norie Wake, Kyoko Yamada, Ryuji Ishikawa, Minoru Takakura (下線は琉球大学内研究者)
Pediatrics International 2021 First published: 14 July 2021
https://doi.org/10.1111/ped.14921
 
この研究で導きだされた知見と形成されたネットワークを利用して、さらにアジア・太平洋島嶼地域の学校保健普及に貢献するための施策を導きだすために、「文部科学省:日本型教育の海外展開( EDU Portニッポン)公衆衛生教育等の海外展開に関する調査研究」に申請してきましたが、6月に採択通知を受けました。「太平洋島嶼における健康・安全な社会・学校づくりに関する研究」はこの資金を受けてさらに国際的展開を強化する予定です。

健康教育とその実践のGAPが顧みられない熱帯病蔓延の一つの原因か?Plos NTDに掲載。

住血吸虫症はかつては世界の5大疾患の一つといわれ、今ではNTD(顧みられない熱帯病)の最も対策で重点が置かれている疾患で、いろいろな対策が長年行われているにも関わらず、世界の各地で未だに高い感染率のスポットが多々あるのでしょうか?その理由の一つを我々はこの論文で示すことができました。ケニアで仕事をするチャンスができて、子供達が学校へ毎日毎日水を湖のほとりから運ぶ現実をみてこの事実をエビデンスにしないといけないと思ったのは、もう7年も前でした。竹内さんの発刊までの長年の努力に乾杯。下のリンクは熱帯医学では最もインパクトファクターの高い雑誌PLOS NTD掲載されたこの内容を示す私達の論文です。

Despite provision of preventive measures against schistosomiasis such as mass drug administration (MDA) long time, the prevalence of Schistosoma mansoni remains high in many areas, countries. We show one of the reason in this paper. It was seven years ago that I had the opportunity to work in Kenya and thought that this fact should be shown by evidence that children carry water from the lake every day to school.Thanks Dr. Rie for your effort to create out put of our research.
Please click below link, which is shown new our paper in Plos NTD
https://journals.plos.org/plosntds/article?id=10.1371/journal.pntd.0007572

クリスタル・エストラーダさんAPACPH2018でベストプレゼンテーション賞を受賞


当教室博士後期課程学生のクリスタル・アミエル・エストラーダさんは、2018年9月12-14日にマレーシア・コタキナバルで開催された第50回アジア太平洋公衆衛生学会:Asia Pacific Academic Consortium for Public Health Conferenceにてベストオーラルプレゼンテーション賞を受賞しました。

本学会はアジア太平洋地域の公衆衛生校のネットワークで毎年行われるもので、公衆衛生学の国際学会として重要なものです。琉球大学保健学研究科はメンバー校としての役割を果たしてきましたが、今回学生では初めての受賞となりました。数多くの演題から161が口演として採択され、その中で最も優秀な口演として選ばれました。
クリスタル・エストラーダさんはフィリピンからの留学生ですが、本学保健学研究科国際地域保健学教室で勉強をしながら母国に度々もどり、首都圏マニラでの学校教育から脱落した学生たちを受け入れているAlternative Leaning Systemで学ぶ学生たちを対象にメンタルヘルスの研究を実施しています。

今回はこの研究の一部を発表しましたが、演題名は“A qualitative study on the role of school psychosocial environment on the suicidal ideation and behaviors of Filipino adolescents enrolled in the Department of Education’s Alternative Learning System”であり、現在開発途上国でも注目が高まってきている精神保健・思春期保健の分野にいち早く取り組んだ研究です。また学校に来ない子供達を対象にした研究で、多くが貧困層でスラムに居住しており、大変アクセスが難しいグループを取り扱っていることも評価できます。研究結果は今後学位論文としてまとめられるだけでなく、フィリピンの精神保健・思春期保健政策の実施に大きく寄与するエビデンスとなると期待されます。

今回の受賞を受け、本人のみならず琉球大学や協力機関のフィリピン大学からも称賛の声が多く聞かれ、両校の多くの大学院生・教員が大いに刺激を受けています。
 

 

イスラム圏・健康教育に関する研究

イスラム圏の健康教育に関する研究

 学校保健の国際的普及は南アジア、アフリカが今後のチャレンジです。そのようななかでイスラム圏を無視することはできません。2016年よりフィリピン、ニジェール、インドネシアにおいてイスラム教育のなかの健康教育についての研究を開始し、その普及に貢献できる知見を明らかにしています。イスラム教に対する偏見がみられるなか、その素晴らしいさについて明らかにしていきます。