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国際学校保健コンソーシアム

 国際地域保健教室は、国際学校保健コンソーシアムの事務局となっております。本会では、開発途上国の学童期および思春期の青少年を対象にした学校保健の普及と適切な実施に貢献する研究を推進し、世界戦略が各国の政策マネージメントに還元すること、およびコミュニティーの健康増進に寄与することを目的とした日本初のシンクタンクです。途上国においては固定観念にとらわれない柔軟な概念やアプローチの開発が必要であるため、保健学のみならず教育学、疫学、健康教育学、寄生虫学、人類生態学、経済学、政策学等々幅広い分野からの参加を期待しています。また若手研究者の育成を図るために、日本でのメンバー間の情報交換等を行うとともに、海外の研究者とのネットワークを強化しています。

これまでの活動対象国:
ニジェール、ケニア、タイ、ミャンマー、ラオス、スリランカ、ネパールなど

リンク:http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/schoolhealth/schoolhealth.jp/index.html
 


第3回東南アジア学校保健研修タイ

 
 

第4回東南アジア学校保健研修ラオス
 


ニジェール学校保健研究

 ニジェールは世界最貧国であり、経済的・環境的にも非常に厳しい状況に置かれている国の一つです。極端にインフラ整備やアクセスの問題がある国でどうやって学校保健を普及させるかについてJICA人間開発部・ニジェール事務所と共同研究を取り組んできました。国際学校保健コンソーシャムでアジア各国で展開している包括的学校保健の自己評価システムをWACIPAC(国際寄生虫対策西アフリカセンター(ガーナ野口記念医学研究所内))に紹介し、パートナー機関であるニジェール教育省はJICAの協力のもと環境に特化した形で単純にして改善のガイドラインを作成し全国規模に配布しました。この効果を判定するための大規模な研究を実施してきましたが、学校を支援する住民組織での学校保健関連の計画と予算付けが明らかに改善されていることがわかりました。ニジェール教育省をカウンターパートに、厳しい条件でなにができるかを共に考えて、学校保健の戦略の改善とその評価研究を続けています。


 

ケニア国複数感染症の一括診断技術による広域監視網と感染症対策基盤の構築

ケニア国複数感染症の一括診断技術を用いた多種感染症の広域監視網と感染症対策基盤の構築プロジェクト

  小林教授は長崎大学熱帯医学研究所客員教授として同研究所が進めているJST(科学技術振興機構)  貧困層を中心とする複数感染症の一括・同時診断技術開発のアフリカ拠点整備とその技術を用いた多種感染症の広域監視網と統合的感染症対策基盤の構築プロジェクトのなかで、学校保健への応用を担当して進めています。アフリカ諸国では顧みられない熱帯病(NTDs)の蔓延は深刻な公衆衛生の問題となっています。なかでも土壌伝播性寄生虫症、住血吸虫症は学童に多くの虫が感染して、学校への出席や学業への集中に大きく影響すると考えらえています。対象地域であるビクトリア湖周辺では住血吸虫症の感染ルートとして、湖畔の水へのコンタクトが明らかになっておりこれを避けるような健康教育が長年されてきましたが効果は得られていません。本研究では、学童に「湖畔の水へのコンタクトを避けるべき」といった実現不可能な健康教育にかわって、この複数感染症の一括・同時診断技術を学校保健のスクリーニングのなかへ応用し適切な治療を受けるように促すことを示唆していく教育へ変えることを考えています。


住血吸虫症の感染場所であるビクトリア湖畔にて洗濯・水浴びを行う女性


学校で使用する水は、学童がビクトリア湖からの水を汲んでくるように指導される


「なぜ学校を休んでしまうのか」学校への先生への聞き取り調査に取り組む平安山さん(学部4年)
 

JICA草の根パートナー事業

JICA草の根パートナー事業「健康な地域社会を作る学童支援プロジェクト」

 長崎大学熱帯医学研究所が実施しているJICA草の根パートナー事業「健康な地域社会を作る学童支援プロジェクト」を国際学校保健コンソーシアムとして技術支援をしています。ケニア保健政策の基盤は地域住民による草の根活動(コミュニティヘルス戦略)で、中でも学校保健は重要な柱となっています。ケニア西部ビクトリア湖の湖畔ビタ地域にある小学校70校を対象に、学校保健マネジメントシステムの導入を進めています。学校保健が整備強化され、学校保健活動を基盤として地域社会全体の保健衛生状況が改善されることを目指しています。

リンク先 JICA http://www.jica.go.jp/partner/kusanone/partner/ken_10.html
 GC-GSHR http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/schoolhealth/schoolhealth.jp/sub8.html

身長、体重測定の意義と計測の巡回指導を実施。教育省、保健省からの参加者と。

小学校での巡回指導の様子

保健省、教育省と協力して学童の健康状態の把握と改善に取り組んでいる


フィリピン災害に対する学校復興能力強化に関する研究

フィリピン・レイテ島および他地域における、災害に対する学校の準備、対応、復興能力強化に関する研究

 国際地域保健教室は、フィリピン、レイテ島において災害に対する学校の準備、対応、復興能力強化に関する研究を始めます。研究の目的は、2013年11月に発生した台風30号による災害被害と対応を学校保健の見地から分析し、災害に対応した学校保健マニュアルを策定すること、また、そのマニュアル内容を、フィリピンおよび東南アジア諸国を対象とした学校保健のトレーニングコースへ盛り込み、研究成果を政策と実務へフィードバックすることです。現地カウンターパートにフィリピン大学公衆衛生学部ヘルスプロモーション講座のProf. Gregorio、日本側は横浜市立大学医学部講師の高橋先生、横浜市立大学グローバル都市協力研究センター特命講師の児玉先生、本科研究科長の高倉先生に協力してもらっています。