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第6回アジア学校保健栄養研修コース

第6回アジア学校保健栄養研修コース

 2017年2月12-19日までタイ・マヒドン大学熱帯医学部ACIPACにおいて国際学校保健コンソーシャムとPCDのサポートによって開催されました。東チモールからシェアの学校保健プロジェクト関係者、南アジア地域(ネパール、インド、パキスタン、バングラデッシュ)、カンボジア、エチオピアからSave Childeren Fund, WFP 各国政府関係者が参加し、学校保健の政策マネージメントについて学び、各国の経験をシェアしました。今年は災害対策に大きくクローズアップされ、JICAの支援で日本に研修にいきそのあと自助努力で災害対策のモデル校をつくりあげた学校を訪問しました。教室からは小林・児玉がTeaching Staff として参加し、博士課程のAmiel さんが参加し大きな学びになったようです。

第5回 アジア学校保健栄養研修

2015年11月26日から12月4日までの9日間、タイ国バンコクのマヒドン大学を主な会場に第5回アジア学校保健栄養研修が行われました。
今回が5回目となる同コースは、国際学校保健コンソーシアムが、タイのマヒドン大学およびイギリスのPCD(Partnership for Child Development)と共に企画し、アジア11カ国(バングラデシュ、ブータン、カンボジア、ミャンマー、ネパール、ラオス、インド、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、タイ)から約30名が参加しておりました。 当教室からは、国際学校保健コンソーシアムの理事として小林教授が研修の企画、運営、講義を行い、学生ケッサナと平安山が運営補助を行いました。
   

 


WHO学校保健専門家会議 “国際保健イニシアチブ:保健・教育の成果にむけて

2015年11月23日から25日に、バンコクで行われたWHO学校保健専門家会議に、国際学校保健コンソーシアム理事長・WHO技術専門家として小林潤教授、運営補佐として平安山華江・ケッサナカンヤサンが参加しました。小林教授は2日目に「低中所得国の学校における保健推進のための組織能力形成の機会と課題」について講演を行い、3日間の討議による合意事項の元になる提案がなされました。
会議には、世界各国(約30カ国)から学校保健専門家、保健または教育行政担当者、国際NGO(PCD,セーブ・ザ・チルドレンなど)従事者が総勢50名以上集いました。1日目はこれまでの学校保健の成果や学校保健の機会の拡大について、2日目は各地域別の状況と学校保健に係る困難への取り組み、3日目には今後の保健と教育における課題への対応をテーマに会議が進められました。全日程を通して、専門家によるプレゼンテーションと参加者を4グループに分けたラウンドテーブルディスカッションが行われ、世界における学校保健の共通課題を認識しあいながら、各国・各地域の状況に応じた学校保健計画が検討されました。
3日間の会議を通して、学校保健における駆虫や手洗いの促進などによる感染症対策の成果を再認識し、非感染症疾患への取り組みの必要性、持続可能な開発目標(SDGs)が国連によって採択された今日における地球環境や災害対策も視野に入れた持続的な学校保健の在り方、保健と教育関係者間のより良いパートナーシップ構築、包括的な学校保健の実施の在り方を見つめる機会となりました。

ケニア学校保健研究

1/22(金)-2/19(金)の4週間、研究の事前調査のため、ケニアに行って参りました。 テーマは長期欠席児童の復学に関係する要因についてなのですが、ケニア国複数感染症の一括診断技術を用いた多種感染症の広域監視網と感染症対策基盤の構築プロジェクト、長崎大学・JICA草の根プロジェクトの活動にも参加させて頂きながらフィールドとなるビタ地域の学校保健の状況を見て参りました。

2/17(水)には学校保健認定表彰式も行われ、学童、小学校教諭、保健省・教育省職員、コミュニティヘルスボランティア(CHVs)、保護者、プロジェクトスタッフらが一同に集りました。 滞在中は、ビタ地域だけでなく他団体(NGO Caritas) が支援しているKericho州の学校等も見学でき、ケニアにおける学校保健面の地域差も学べたりと、多くの経験をさせて頂きました。

活動を通して出会った地域の小学生や、小学校教諭、住民の方々とのコミュニケーションや出席簿データ、学校見学等から沖縄に居ては得られない多くの情報を得ることができました。今回得た情報を活かし、5月下旬からの本調査に向けて、準備を進めてまいります。

今回の滞在をサポートして下さった、長崎大学 竹内先生と風間様、ケニア拠点の皆様と草の根チームスタッフ、長野県看護大学 秋山先生に心からの御礼申し上げます。誠に有難うございました。

  
撮影:久野武志/長崎大学

(photo: Takeshi KUNO/Nagasaki University) 


 


ケニア共和国 健康な地域社会をつくる学童支援プロジェクト 2014年実施報告

平成26年8月6日から10月25日までの2か月半、長崎大学が実施する草の根事業"健康な地域社会を作る学童支援プロジェクト"の調整員補助としてケニア共和国ビタ郡に入りました。
日本で学童の保健・衛生・健康を担当しているのは、養護教諭。世界を見てみると、日本のように一校一養護教諭(スクールナース)制度を持つ国は極めてまれです。では、誰が学童の健康を見るのか。専任スタッフがいない中でも、学童の保健・衛生・健康を見られるように導入されているのが、包括的学校保健システムです。

ニアにもケニア保健省とJICAが共同して作成したKenya Comprehensive school health program(包括的学校保健プログラム)があります。今回の学童支援プロジェクトでは、このプログラムに沿って、ビタ郡にある約100校の学校を対象に、学校保健プログラムの実施と体制の構築、身長・体重測定の導入、トイレ・水タンクの整備、健康教育、学校保健クラブの導入などを行っています。プロジェクト期間は5年間。今年で3年目を迎えました。


包括的学校保健プログラムの実施サイクルは、評価表を用いた学校保健アセスメント、分析、結果のフィードバック、次年度のアクションプラン作成、表彰式の開催、アクションプランの実施となっています。

私の赴任期間には、主に学校保健アセスメントの分析、フィードバック、アクションプラン作成、結果の共有とモチベーション向上のための表彰式の開催を行いました。

アセスメントは今年で2回目。初年度のスコアとの比較を行い、スコア基準から金賞10賞、銀賞13賞、銅賞1校の計24校が選ばれました。これらアセスメント結果を、アセスメントを実施してくれたビタ郡の保健局・教育局のチームと共有するため、ワークショップを開催。ワークショップ中には、参加者から意見も挙げてもらい、実施にあたって現場に即さなかった項目の見直しや更新も行いました。地域や学校毎に状況が異なる現状にも、できるだけ合うような評価表になるように今後も改訂を行っていきます。
今回のアセスメントの参加校は98校。5日間のワークショップを開催し、アセスメント結果のフィードバック、学校毎にスコアが低く改善策がたてられそうなものから次年度に取り組めるようにアクションプランを作成してもらいました。私はこれらワークショップの開催にあたって、データ分析、調整、運営を担当しました。

9月23日には、第一回学校保健表彰式を開催しました。できるだけ多くの人を巻き込み学校保健の重要性を示すため、国、県、郡レベルの関係者、学校関係者や地域住民に声をかけました。各関係者に参加のお願いをするために、早朝からでこぼこ道を現地スタッフと何度も通った時間は今でも忘れられません。町一番の通りには大きな広告が掲げられ、地域住民にも伝えられました。

当日の参加者は735名。各方面から多くの方々が参加してくれて、町一番の催し物になりました。
                                  
今後の目標は、このシステムが現地に根付くこと。現地関係者との協力体制を築きながら、今年も子どもたちの笑顔とともに、学童の保健・衛生・健康を見守る事業を進めていきます。

博士課程前期1年 前川 由佳